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執筆者の写真Chihara

2019.1017~18 第83回 全国学校歯科保健大会 in山口

皆様こんばんは!湘南鎌倉歯科・矯正歯科の千原です!! 2週間前に鎌倉市歯科医師会からの参加者として希望し,全国学校歯科保健大会に出向してきました! 



 とても有意義な時間を過ごす事が出来ましたので皆様と共有したいと思い,長文・駄文・稚拙な文章で報告したいと思います。(今回のブログ内容は「歯の話」はあまり出てきません。「教育」分野の内容が多いです。)


            萩美術館にて初めて生で見た木製義歯⤴︎


私は今年より御成小学校学校歯科医に任命され初めての全国学校歯科保健研究大会参加でした。養護教諭の先生から12月の保健指導を頼まれたので,「何をしたら良いのか,,」と思いながらも「何かが出来れば」と思い二つ返事で「承知致しました!」と返答致しました。

 今回大会に参加することにより「何かヒントが得られれば!」と思い参加させて頂きました。

また,千原の姓は祖父が山口出身だった事があり生前は「山口には千原は多い」と言っていたので「実際にはどんなものだろう」という気持ちがあったので確かめる為にも,,ホテルの方,学会関係者の方,タクシーの方,と尋ねたところ結果は,,「あまり多く在りませんでした。」調べたらお隣島根に一番多いそうです。

さて,17日朝5時に自宅近辺にて鎌倉市歯科医師会と合流。先生の車にて羽田空港まで送って頂きスターフライヤー11便にて山口県宇部空港に9時に到着! 人生初?山口です!


            ⬆︎やはり黒はカッコいいですね♫


そこからシャトルバスにて約30分,まさかの学会関係者でバスは満席!!3列シート補助席なし! 次のバスは2時間後!! 飛行機到着15分後がシャトルバスの時刻と本数とのことでした。まさかの先生と立ちながら新山口駅へ! 



「とても綺麗」改装したとのことです。

新山口駅に到着するとバスターミナルとタクシー乗り場は別とのこと。 新装されていているものの「何か変な設計だな」と思いながらバスの時刻表を見ると1時間に2本程度。 そして人が居ない。 駅に対して人の賑わいが一切ない。

電車への乗り口は直ぐに分かるもののタクシー乗り場は何処へ? 通常駅ターミナルは人の往来を考え設計するものですが,,

そしてタクシー乗り場を発見し乗車後にタクシーの運転手の方に尋ねたら「あれは意図的にタクシーに乗りづらく駅を設計しているんだ」「バスの利権が〜〜〜JRが〜〜」と仰っていました。 色々あるのですね。 その運転手の話によると改装当初は駅のトイレにトイレットペーパーが常設されたおらず100円でポケットティッシュを2つ購入する設定だったそうです。 

ただ大阪から観光に来た女性3人組が「ありえへんで!」「どうなっとるねん!!?」と駅・バス・タクシー職員を巻き込んで騒動になったらしくその後直ぐにトイレットペーパーが常設されたようです。 「流石,,関西,,」と思いながらも運転手の方がタクシーの待合場所についての不平不満を我々に細かく話す理由も察知致しました。




昼食を頂いた場所の置物が気になり尋ねたところ「ドン・キホーテ」でした! よく目にする黄色と黒看板のペンギンが思いつくところが知識知らずの千原です。

山口県は「フランシスコ・サビエル」の故郷であるスペイン・ナバラ州と、山口市はナバラ州の州都であるパンプローナ市と姉妹提携を結んでいることから、スペインフェスタなども開催されているようですね!(後日調べ)




何はともあれ新山口駅から30分程で会場到着です。凄まじく人が多い,,そして上述した大会が開催されその後は懇親会!規模と日本酒人気には驚かされました。



そしてその後神奈川県歯科医師会の学校歯科保健委員会の先生方と二次会に行き食べ過ぎに食べ過ぎた一日となりました。そして翌日は各部会による報告を聞いてきました。 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

!あくまで個人的な感想・纏めとして!



 ・天野教授→う蝕減少の最大貢献はフッ化物(フッ化物入り歯磨材の普及)。 →大学教授立場としての当然の発言だと思いますが学校歯科保健の目線で付加的要因についてももっとお話を聞きたかったです。


●特別講演 

学習指導要領改訂に伴う学校歯科保健における主体的・対話的で深い学びの実現」   

  講師:中室牧子 慶應義塾大学総合政策学部教授



この先生の話はとても勉強になりましたので少し細かく,,!


まずはじめに,日本の教育における問題点として,,,経済諮問会議抜粋より,誰しもが口を揃えて「私の経験」では,,,と「経験則」による支配がおきているのが現状

・個人の体験談は必ずしも全体をあらわさない。 

・「例外的」な出来事ほど衆目を集める傾向

・「科学的根拠」とは個人の体験を大量に観察することによって得られる規則性



近年の経済学は医学のデータ分析を参考にしている場合が多い。

「勉強しなさい」は効果的か?

・もし,子供が勉強しなかったら?

・もし,夫が家事を手伝ってくれなかったら?

・もし,生徒がいつも遅刻してきたら?

 →今望ましい行動を取らない人がいて,口で注意してもなおらない。

 →「勉強しなさい」は逆効果。 経済学とは? 

・社会科学の「王様」,「インセンティブ(動機)」のあるところに経済学あり,

 「インセンティブとメカニズム」を明らかにする。


アメリカで行われた「ご褒美」実験

 アメリカ5都市で9.4億円を使って約250校3万5千人を対象した。

 1)テストで90点をとったら2000円=アウトプットにご褒美

 2)本を1冊読んだら200円 = インプットにご褒美


結果→ 1)の学力は全然上がらなかった。2)の方の学力はかなり改善していた。 

  → その後の研究より勉強の「仕方」を教えることがとても重要だとわかった。


なぜスポーツジムは続かないのか?

 ・定期的な運動には大きなメリットがある。 なのになぜ運動しないのか? 

  簡単にいうと「先送り傾向」。将来の価値をより今を考える(双極傾向)

 ・違う実験でジムへ行くインセンティブを与える,与えないで分けた結果

  →インセンティブを貰ったグループでは実験終了後でもジムに通い続けた

  →「習慣を形成する:」Habit formation

 ・では習慣形成は「お金」なのか? 

  中高生以上は確かにお金。ただ小学生では「トロフィー」「メダル」にも反応する。 


・先生が実際に行った実験,,

 1)なるべく鶴を折る(手を動かす) → 報酬ありのグループの方が多く折れる

 2)自分の出身高校をよくする提案を → 提案数は変わらない。

    ただ内容は報酬ありグループは厚労省のような意見,報酬なしは自由度が高い。


3)ダン・アリエリーの実験

単純なルールと明確な答えがある場合には報酬ありの方が効率は上がる。「創造的,概念的,答えがない」ものに対しては問題に答えをだす能力「内的モチベーション」が必要。 ただその非認知能力は報酬では上がらないのでは?と結論づけた。


4)非認知能力について:Heckmanのペリー幼稚園プログラム

2.4 非認知能力の形成時期 最後に、認知能力、非認知能力の形成時期について述べる。一般的に、人的資本の投資収益率は年齢とともに減少する(Cunha et al. 2006)。Carneiro et al. (2007)は、イギリス の the National Child Development Study のデータを分析して、7 歳から 11 歳、11 歳か ら 16 歳の認知テストスコアと非認知スコアの変化に着目して、非認知能力は認知スキルよ りも後年でも鍛えられることを示している。Carneiro and Heckman (2003)は、認知能力は 8 歳までにかなり開発されて、非認知能力は後年(10 代後半)でも鍛えられるとしている。 また、Cunha and Heckman (2008)によると、認知能力の変化は 6-7 歳から 8-9 歳の変化 が他の年齢(8-9 から 10-11、10-11 から 12-13)に比べて大きいが、非認知能力の獲得は より後年に起こっていた(具体的には、8-9 から 10-11 が最も大きいが、他の年齢時期もそ れなりに大きい)。これらの結果は、認知能力に比べて、非認知能力は、より遅いタイミン グで獲得可能であることを示唆している8。


5)教育分野におけるランダム化比較試験の重要性


【10月14日 AFP】(更新、写真追加)スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は14日、2019年のノーベル経済学賞(Nobel Prize in Economics)を、貧困に関する研究の業績で、インド出身の米国人アビジット・バナジー(Abhijit Banerjee)氏、フランス出身の米国人エスター・デュフロ(Esther Duflo)氏、米国人のマイケル・クレマー(Michael Kremer)氏に授与すると発表した。  同アカデミーは、3氏の「世界の貧困緩和に向けた実験的アプローチ」が評価されたと説明。貧困との闘いにおいて、難問をより細かく、より対応しやすい問いに分割することによって、現場での実験を通じて解決できるようにするという、より効率的な方法を、3氏が見いだしたとたたえているhttps://www.afpbb.com/articles/-/3249411


・何故教育にEBPMが必要か?:受益の世代間格差。

 少子高齢化が進み就学期の子供にGDP比率で教育でお金をかけていないのはOECDで日本んが最下位。 これをもし先進諸国並みに上げようとした場合最低7兆円かかる。そして就学期の子供がいる家庭は20%前後になっている。つまり全体としての同意を得ることはできないだろう。


・教育への投資は将来への投資です。というものの,,,,

 →日本国ではどんどんと教育財源の確保は困難な状況になるだろう。

 →効果が高いところにお金を回していきたい。

・ペリー幼稚園プログラム:社会として「割りのいい」投資と結果ずけている。外部性(子供がいない家庭)に対しても効果が大きい。社会への還元も可能となる。

認知能力への影響は限定的

 子供らの小学校遊学後のIQや学力テストを上昇させたがこの効果はごく短絡的なもの

 認知能力は小学校低学年以降は大きく変化しない(脳科学との知見とも整合的)

どういう非認知能力が重要か?

 ー「可鍛性があること」+「将来の成功に繋がっていること」

 ー「自制心」:健康状態,経済状態,犯罪への関与,ひとり親で養育 が高くなる


ー「しつけ」を受けた人は収入が高い(西村,2014)

→ しつけは「将来」に繋がっていく。内面的能力,非認知能力の向上はとても重要ということ。



成る程!!と沢山の学びを得る事が出来ました!! エビデンスに基づいた教育を行う事はとても重要と! そして後日先生の著書を読み 様々なアイディアが思い浮かんできました♫  12月の歯科保健指導が楽しみです♫ 結果はまた報告致します!


最後まで読んで頂き有難う御座います! 今後とも精進していきますので宜しくお願い申し上げます♫





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